森下先生のここがスゴい！

こんにちは。
今日はタイトル通り、私の好きな棋士の一人である森下 卓九段について魅力を存分に語っていきたいと思います。

私はどちらかと言うと振り飛車党の人間なので、なぜ森下先生なのかと思われる方もいるかと思いますが、何よりも棋風が素晴らしい。
一言で言うと渋いという印象です。

対抗形の将棋では金銀4枚で守り、隙を見せないような序中盤。しかし終盤になるとムチのような筋の良い攻めで勝ちきります。

引用として以下の書籍から今回は紹介したいと思います。
森下の四間飛車破り
森下卓妙技伝 (犬研シリーズ)

それでは、いきましょう！

▲6九玉から駒を組み替える発想

　一局目は森下卓七段vs室岡克彦六段の一局から。
△65銀と76の歩を取りに来た時になんと▲7七金！
駒がバラバラになっていまい、角道を標的にされそうですが、ここからの駒組の発想に目から鱗になりました。

捌き合って終盤戦突入か？と思いますが、なんと第二次駒組みが始まります。
ここまででもう、金銀4枚くっついている形がいかにも"森下風味"の感じで重厚感がありますね。
「あれ？これって急戦の将棋じゃなかったっけ？早仕掛け、いや棒銀だったよね？」と棋譜を並べてて困惑しました笑
...長いので割愛させていただきますが、下図の局面まで手が進み、室岡六段が銀冠に駒組みを進めたときの森下先生の次の一手に驚きました。
正直「マジっすか！？」となりましたが、う〜ん筆者もこういう一手を大会でバシッと指してみたいものです。
次の一手をどうぞお考えください。
4五歩とか2二歩とか考えたら森下クラブ退会です←

正解は▲6九玉

えぇ...！？マジっすか。自ら3筋に近づくの危険じゃないすか！？
と思ってたら、ここからの差し回しが目から鱗パート2です。

△8三銀以下の指し手

▲6九玉 △7二金
▲5八玉 △3四竜
▲4七銀 △3三桂
▲3七桂 △2四歩
▲3五歩 △同竜
▲3六銀 △3四竜
▲3五歩 △2三竜
▲2六歩 ...

なんということでしょう、どこから攻めれば良いかわからない立派なお家が完成しました。(大改造劇的ビフォーアフター)
図で26歩と打つところは評価値完全においておいても非の打ち所がない局面になっています。
これは実践的に振り飛車側から見ても下手に駒を動かせば、潰される可能性すら感じ容易に攻められませんね。

6九玉からの森下先生の構想に惚れ惚れしてしまいます。
また、26歩と手堅く打っておくところも素朴ながら非常に安定感を感じられます。

森下流四枚美濃の美しさ(穴熊退治編)

次に紹介したいのが、vs沼 春雄五段戦での一局。
先手が森下四段(当時)で、後手が四間穴熊に組み始めた局面。
やはり対穴熊においては玉頭から嫌味をつけていきたい。
森下先生のここからの工夫がとても感心し、筆者も実戦で使用するようになった教えたくないけど、森下先生の魅力を伝えるには絶対にマストな一局だ。

△8二銀以下の指し手

▲森下四段 △沼五段

▲6六歩 △6四歩
▲6七金 △5二金左
▲2五歩 △3三角
▲6八銀 △3五歩
▲7七銀右 △3二飛
▲1六歩 △7四歩
▲8五歩 △5一角
▲2六飛 △6三金
▲8六銀 △7一金
▲7七角 △7三金
▲8八玉 △1四歩
▲8七銀 △3四飛
▲7八金 △5四銀
▲7五歩 ...

なんと美しい銀冠か...。
最初の66歩から四枚美濃を組んでいくスタイルが、森下流。
穴熊の場合だと、66銀から四枚美濃に組むスタイルはあまりメリットがない点と、相手の攻めの銀がぶつかってくる可能性があるため、なるべく駒がぶつからないように組むところが惹かれるポイント①です。

そして、85歩から86銀と出て、端攻めを狙う構想は本局でやってみたかった構想と本にも記載があり、森下先生の構想力に惚れ惚れしてしまいます。
そこから88玉と引いて堅陣な銀冠で玉頭戦を見事敢行。
ここからは大きくリードを広げる快勝譜でした。

今回はほんとうに森下先生の魅力の5%ぐらいしか語れていませんが、今回は序盤における森下先生の魅力について語らせていただきました。
...ということは、もちろんシリーズ化していきたいと思います！
鬱に甘えて恐縮ですが、もう少し意欲を高めた執筆をしたかったところですが、今回の記事で何か参考になれば幸いです。

それではまたお会いしましょう〜〜ノシ