こんばんは!
第一局で1勝目を挙げてから意気揚々の中、迎える予選第二回戦を今回は振り返ります。
呼ばれるやいなや、でましたよ。キッズ。
どんな新しいことをしてくるのかわからない、もしくはスペシャリストの可能性があるっていう点でキッズ対策は難しいところです。(キッズ総じての印象として、AIのように手が見えやすく間違えない印象があります)
K君。道場でも顔を合わせたこともなく、はじめて見る名前でおそらく小学校高学年なりたて?な感じでしょうか。
「まぁいけるやろ」と正直おもってました。えぇ、後でごめんなさいしないといけない事になるんですが。(失笑)
先手がKくん、後手が私です。
そして、本日もまたAIソフト「棋神アナリティクス」を使用してソフト推奨手と自分が指した手&考えていた方針などについて述べていきますね。
それではいきましょう!
初手からの指し手
▲5六歩 △8四歩
▲7六歩 △8五歩
▲7七角 △6二銀
▲5五歩 △5二金
▲5八飛 △4二玉
▲1六歩(ポイント①) △1四歩
▲6八銀 △7四歩
▲5七銀 △7三銀
▲6六銀 △6四銀
▲4八玉 △4四歩
▲3八玉 △4三金
▲2八玉 △3二玉
▲3八銀 △4二銀(ポイント②)
▲4六歩 △3四歩
▲5九飛 △9四歩
▲5八金(ポイント③) △7三桂
▲4七金 △3三角
▲3六歩 △6五桂(ポイント④)
(下図)
見ての通り、なんとお相手は最近よくいる(偏見でごめんなさい)"中飛車キッズ"だ。
大山先生のような、受けが強くて「かかってきなさい」と言わんばかりのスタンスが私にとっての振り飛車党のイメージ。
しかし、最近の振り飛車党はなかでもゴキゲン中飛車とノーマル三間飛車が多く、キッズの採用率も多い印象。
まぁ私が幼い頃に四間飛車が流行っていたので、流行に素直である(詳しい)ということだろうか。
感想戦でも終わるや否や、「この6五桂が早かったです!」
ととても言いたげな感じで、まぁ〜詳しい詳しいwww
ポイントを解説する前に、一つ参考にしたい棋譜がある。
ゴキゲン中飛車に対して「こうなったらいいな〜」という理想的な棋譜だ。
2023-04-13 第36期竜王戦 2組ランキング戦
藤井 猛 九段 vs. 豊島将之 九段 (https://shogidb2.com/games/3a22f8d9368a70bfb046f784b34c55ae16c67d59)
この一局の豊島九段の指し回しは本当にお美しい...。
また中飛車に対して超速は優秀と考えてはいるが、私が超速を学んだ本はなんと中飛車が成功するサイドの本である。
「二枚銀と一直線穴熊に左美濃、これだけバリエーションしっておけば大丈夫でしょう」という感覚である。
正直言って、中飛車を自分が指すことは上記の振り飛車に対する棋風感の違いからほぼないので、対策を学ぶ必要があると思った。
本譜△6五桂が問題になったのも、知識不足が原因だ。
ポイント①
ここで端歩を突いてくるのは意表だった。
しかし、ここで「私は中飛車のスペシャリストです。」と気付けないところが非常に痛々しい...。
え、後で△1三角とかそういう筋発生するけど坊や大丈夫??と心の底で舐めている感があったことは赤裸々に吐露させていただきます。
あぁ、お恥ずかしい...。
ポイント②
これが上述の藤井vs豊島戦で「かっこいい〜〜〜」とおもった形である。
しかし、普通は3三角~2二玉から左美濃や、穴熊で戦うのが定跡であり、△4三金を許してもらえたことが嬉しすぎてスキップでこの形に組む癖がある。ハッキリ言って"我流の範疇だ。"
悪くはないかもしれないが、何より発展性に乏しい。そして、ここからの展開は実践経験が少ない形で、今振り返るとこの△4二銀を指す前でもう少し時間を使うべきであった。
ポイント③
そして続きだが、この5八金を実践で初めて見たのである。
いや、これまでにもあったかもしれない...。
先手の左金が78金型かそのまま69金型で飛車を78にもってくる形が圧倒的に多いことから、じっくり高美濃に組む形は正直意外だった。
「え、ここで5四歩いったろか???」とも思ったりした...が、ソフトで検証してみるとそんな手は無し。
下図の△7三桂のところで評価値+64である。
なので、一局ではあるがわざわざそんなことしなくても〜感がある。(それなら3三角と玉の懐を広くしておきたい)
ポイント④
そして、問題の△65桂である。
感想戦では、ここからの変化の検討がメインだった。
むしろ、お相手からすればここからは検討する価値なしという印象を受けた。
指摘されるとなるほどな〜〜。と頭を抱える部分で、お相手の詳しさには驚きで笑うしかなかった。
さて、具体的にどんな手があるか。
ここでのお相手のサジェストは一度84歩と突き捨ててから、△65銀とする。
ソフトも大体同じことを言っているようだ。ソフトは突き捨てず△65銀推奨。
そもそも、狙いの6五金の威力を知らないその差が大きい。
平成生まれの私からすれば「そんなに金を上擦らせてまぁお元気だこと、転がして差し上げますわ。」と痛く呑気な思考をしていた。
本譜のような進行になると先手の47の隙間が気になる。ここを拠点に攻めるような方針でいこう、という策を取ったが果たして。
△6五桂以下の指し手
▲6八角 △2四角
▲5六金 △4五歩
▲6五銀 △同銀
▲同金 △4六歩
▲2五銀 △4七歩成
▲2四銀 △4六歩
▲2三銀成 △同玉
▲4八歩 △3八と
▲同金 △4五銀
(下図)
銀を3枚持ち駒にして、「さぁ、どれだけ捌かせずに自分は玉頭と47の地点を攻撃できるか...。」ということを考えていた。
この時に68の角が気になっており、形的に桂馬の価値が高いと感じていた。
しかし、その考えが今対局での形勢を大きく損なう2つ目の原因である。
この45銀まではソフト通りの指し手であったが...。
△4五銀以下の指し手
▲3七桂 △4四銀(ポイント①)
▲4五桂 △同銀
▲3七桂 △4四銀(ポイント②)
▲4五桂 △同銀
▲5四歩 △同歩(ポイント③)
▲3七銀 △4四桂
▲4六銀 △3六桂
▲3九玉 △4八桂成
▲同金 △5六桂
▲4五銀 △6八桂成(ポイント④)
(下図)
ポイント①
ここの時点で評価値(+765)
最善の進行を見てみると、お相手はきっちりと最善を指している。
一旦、3七銀と受けるところなどはドンピシャ。
先述の桂馬に対する偏った価値観が大きく祟る。
この3七桂に対しては、3六銀だった。
先手側の盤面で見ると尚更痛い...。(4六角には35銀とそれこそ手厚く。)
ポイント②
もはやコレクターの領域。
将棋は桂馬を4枚集めたら勝ちのゲームとどうやら思い込んでいるらしい...。
さらに銀桂交換をすることにより評価値は2000近くまで急降下。
ここでもまだ、36銀を推奨しているにも関わらず相手の桂馬がなくなるまで4四銀とやり続けるのである。
ポイント③
そして、大きな問題が「飛車」が遊んでいること。
標的にもなりかねないポジションだ。
いつか2二飛として玉が32や12に避けるような使い方ができればと考えていただが、ここで同歩と取らずに52飛と回っておく手も人間的にはありだったかもしれない。(それでも6一角などが厳しい)
本譜はそれ以上に辛い展開になってしまっていたのだ。
検討にかけてみれば「そんなことわかるやろ」という感覚になるが、対局時にここで「そんなに悪くない、リスクをかけた分これから取り戻す」という心情なのだから恐ろしい。
ポイント④
やりたい形に実現できたわけだが、さすがに駒不足で「あー苦しいかも...。ケアしないといけないところが多すぎる....。」と劣勢を意識。
ここからはアヤを求めるも届かない...。飛車を見た時にボヤけて見えたのが印象的だった。
虚しくも終局まで続く。
△6八桂成以下の指し手
▲5六飛 △3三銀
▲4四歩 △5三金
▲7一角 △5二飛
▲4三銀 △7三角
▲2六飛 △2四歩
▲5二銀不成 △同金引
▲5五歩 △8四角
▲7五歩 △9三角
▲同角成 △同香
▲4三銀 △2五銀
▲5二銀不成 △2六銀
▲4一銀不成 △投了
(下図)
ブログを書きながらもじわじわと涙がにじんでおります...。(最後は恒例の筆者側から見た投了図で)
△7三角から金系を持った瞬間に絡んで反撃しようなどと考えていましたが、駒損とぼろぼろと金を剥がされていく形がトラウマ級。
ここらへんは、中盤での攻防に大きな問題があったことを後悔しながら指していました。
学ぶことがたくさんあるながらも、中飛車対策は指される方が多い為急務ですね。
それでもやはり先手中飛車に対しては超速は優秀な戦法だと思っているので、超速目線や一直線穴熊目線での棋書を読んでいきたいと思います。(電子書籍では読んでいたので、実際に紙の本で本格的に!)
この後、前編の第三局が行われ敗れた後、一般対局というイベントがあり、クラス関係なく対局を"指せるだけ指す"というスタンスでやってました。相手がいる喜びを噛み締めて指していました。
負けるのは悔しいことですが、しかしネット将棋と違い気持ちが籠る。心理要素もある。
こういったところは場数を多く踏んでいたり、その場での経験をもとに最近のトレンドを把握するなど「参加して早々に帰宅する」方が「参加しない」よりも全然価値があると改めて思いました。
毎回大会に朝早くから来られている方は本当にすごいです。
10月から大きな大会があります。
今年の目標である「大会にたくさん出る」を行動に移せていなかったので、10月はこの反省を整えて頑張っていきたいと思います。
それでは〜〜★